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【銘柄分析】6835 アライドテレシスホールディングス

1. 会社概要

アライドテレシスホールディングス(以下アライドテレシス)は、ネットワーク機器の製造・販売を手がける企業です。主力製品はLANスイッチやルーターで、企業、官公庁、医療機関、教育機関向けにネットワークソリューションを提供しています。

1987年設立と業界内では老舗企業ですが、国内ではヤマハやNEC、**シスコシステムズ(外資)**など強力な競合も多く、価格競争に苦しむ局面も多かった企業です。

2. 強みと弱み

強み

エンタープライズ(法人)向け特化:高信頼性を求める法人市場に強い。 セキュリティ・IoT領域への対応:近年は医療、公共向けIoT需要にも対応。 国内製品志向ニーズ:海外製に不安を持つ一部顧客から安定需要がある。

弱み

売上規模が小さい:世界的な大手メーカーに比べると競争力は限定的。 収益が不安定:好不調の波が大きく、安定黒字とは言いづらい。 無配企業:投資家還元は期待しにくい。

3. 最新業績(2024年度)

内容

売上高

約270億円(前年比微増)

営業利益

赤字縮小だがギリギリ黒字圏利益

ほぼトントン、利益幅は非常に薄い

自己資本比率

約60%台(倒産リスクは低い)

配当

なし(無配継続)

→ ここ数年で赤字からの脱却を目指し、経営の立て直しを進めていますが、「回復途上」にあると言えます。

配当株分析」記事 → 「アライドテレシスは無配ですが、配当狙いならこちらの銘柄がおすすめです(追記予定)

4. 株価動向

trading

小型株らしくボラティリティが高いのが特徴です。 業績発表や新規受注ニュースに敏感に反応しやすく、短期トレーダーに人気。 中長期的には、業績安定化の兆しが見えないと大きな上昇トレンドは作りにくいでしょう。

※2025年4月時点の株価は120円前後(時価総額は約120億円規模)。

5. 投資判断ポイント

チャンス要素

日本政府によるデジタルインフラ投資拡大(地方自治体のネットワーク整備等)が追い風。 IoT医療やスマートシティ関連の需要を取り込み始めている。 小型株特有の「思惑相場」で急騰する可能性あり。

リスク要素

大手競合(NECやシスコ)に対する弱さ。 為替影響・部材コスト高が利益圧迫要因。 長期保有する場合は、「業績の黒字定着」を見届けてからでも遅くない。

6. まとめ:アライドテレシスは買いか?

アライドテレシスは、業績回復局面にある小型ネットワーク機器メーカーです。

大化けする可能性もゼロではありませんが、まだリスクが高く、投資するなら短期勝負型または**「業績回復本物」を見てから中期投資がおすすめです。

高配当や堅実成長を求める投資家には向かず、リスク許容度の高いトレーダー向けの銘柄と言えます。

【参考】今後注目すべきニュース

中期経営計画の発表

大型受注案件(自治体、医療機関向け)

営業利益の黒字定着(通期ベース)

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